泣き咽ぶ
なきむせぶ
動詞
標準
文例 · 用例
おはま (泣き咽ぶ)お登世 兄さんだ兄さんだ。
— 長谷川伸 『瞼の母 二幕六場』 青空文庫
彼が許嫁の死の床に侍して、その臨終に立会った時、傍らに、彼の許嫁の妹が身を慄わせ、声をあげて泣きむせぶのを聴きつつ、彼は心から許嫁の死を悲しみながらも、許嫁の妹の涕泣に発声法上の欠陥のある事に気づいて、その涕泣に迫力を添えるには適度の訓練を必要とするのではなかろうか。
— 太宰治 『女の決闘』 青空文庫
※忘れられぬぞあのことを』(唱えつつ首の包みに額を押しあて泣きむせぶ。
— 岡本かの子 『取返し物語』 青空文庫
夢中で家へおはいりになったが、「この二、三日は少しお快いようでございましたのに、にわかに絶息をあそばしたのでございます」 こんな報告をした女房らが、自分たちも、いっしょに死なせてほしいと泣きむせぶ様子も悲しかった。
— 若菜(下) 『源氏物語』 青空文庫
昭和十七年十二月三十日追記竹田博士の招待にて秀と共に初めて大阪文楽座を観る文楽やでく泣きむせぶ春の霄でく泣くにますらを我も泣きにけり亡びなむ芸とも見えず三業のにほひとけゆく春のゆふぐれ三月十三日福井君に寄すまた来ませいのち短き人の世のいのち短き春なれば。
— 河上肇 『閉戸閑詠』 青空文庫
彼女は、途方にくれ、泣きむせぶ母の肩を自分の胸に抱きしめて、「泣かないのよ、お母様。
— 宮本百合子 『心の河』 青空文庫
おれは天下に、おれの歯型のある女に触れた奴は、おれの女讐だといって歩くから」「…………」 梁の塵を微かにこぼして、真っ暗な堂内の床には、よよと泣きむせぶ声ばかりだった。
— 空の巻 『宮本武蔵』 青空文庫
彼が許嫁の死の床に侍して、その臨終に立合った時、傍らに、彼の許嫁の妹が身を慄わせ、声をあげて泣きむせぶのを聴きつつ、彼は心から許嫁の死を悲しみながらも、許嫁の妹の涕泣に発声法上の欠陥のある事に気付いて、その涕泣に迫力を添えるには、適度の訓練を必要とするのではなかろうか。
— X君とX夫人 『感傷主義』 青空文庫