漕ぎ着ける
こぎつける
動詞
標準
文例 · 用例
国府津に着くのは十時五十三分の筈であるから、どうしても、適当な時刻に箱根まで漕ぎ着けるわけには行かない。
— 森鴎外 『青年』 青空文庫
ほかの弟子たちの手前はいい加減に誤魔化して、検視も済み、葬式も済み、あしたは初七日の墓参り、今夜は逮夜というところまで漕ぎ着けると、その逮夜の晩に怪しい声が又きこえたんです。
— ズウフラ怪談 『半七捕物帳』 青空文庫
こんなにして、上り降りの群衆に揉まれながら、辛くも改札口まで押し出されて行った私は、切符に鋏を入れて貰らって、プラットフォームへ漕ぎ着けるや否や、再び其処に呪われた運命が待伏して居たのを発見した。
— 谷崎潤一郎 『恐怖』 青空文庫
私は、この小説を当然の存在にまで漕ぎつけるため、泣いたのだ。
— 太宰治 『めくら草紙』 青空文庫
そこまで漕ぎつけるのが大抵のことじゃありゃしねえ。
— 徳田秋声 『新世帯』 青空文庫
建築物の請負いや地所売買の仲介などを営業としているその会社で、浅井は近ごろかなりな地位を占めて来たが、そこまで漕ぎつけるまでには、一身上にいろいろの変遷があった。
— 徳田秋声 『爛』 青空文庫
目的地へ漕ぎつけるまでにはなかなか骨が折れると思った。
— 夏目漱石 『明暗』 青空文庫
そのうちに清もいつの間にか上手になって、「ケキョ、ケキョ、ホーケッキョ」とそんな風なところまで漕ぎつけるようになって来た。
— 横光利一 『比叡』 青空文庫