角い
かくい
形容詞
標準
文例 · 用例
四角い建物の上を月は、やつぱり人間の仲間のやうに流れてゐた。
— 中原中也 『散歩生活』 青空文庫
すると私は白い糊の付いた看護衣の、長い四角い顔の、スリッパを穿いた男を想ひ出すのである。
— ――世の母びと達に捧ぐ―― 『一つの境涯』 青空文庫
父や母に向って、私の小学校時代の事を、それはいやらしいくらいに、くどくどと語り、私が折角いい案配に忘れていたあの綴方の事まで持ち出して、全く惜しい才能でした、あの頃は僕も、児童の綴方に就いては、あまり関心を持っていなかったし、綴方に依って童心を伸ばすという教育法も存じませんでしたが、いまは違います。
— 太宰治 『千代女』 青空文庫
あかつき、小用に立つて、アパートの便所の金網張られた四角い窓から、富士が見えた。
— 太宰治 『富嶽百景』 青空文庫
全く峯にはまっ黒のガツガツした巌が冷たい霧を吹いてそらうそぶき折角いっしんに登って行ってもまるでよるべもなくさびしいのでした。
— 宮澤賢治 『マグノリアの木』 青空文庫
教授はその部屋には電気ストーヴが桃色の四角い唇を開けていた。
— 岡本かの子 『巴里祭』 青空文庫
その片側に蓋の無い大きく四角い樋が通っていて綺麗な水が早瀬のように流れています。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
小屋の前に莚を敷いて葛岡は鼬を猟る罠だという横長い四角い箱の入口の落し蓋の工合をかたん/\いわせながら落し試みていました。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫