鞍掛
くらかけ
名詞
標準
文例 · 用例
鞍掛山、太白山は、黛を左右に描いて、來日ヶ峰は翠なす額髮を近々と、面ほてりのするまで、じり/\と情熱の呼吸を通はす。
— 泉鏡花 『城崎を憶ふ』 青空文庫
」「えゝ、しかし昨日は鞍掛でまるで一面の篠笹、とても這ふもよぢるもできませんでした。
— 宮沢賢治 『柳沢』 青空文庫
そこで、ふっと振り向く、ちらと眼に入ったは、天幕の前、象だ、象の子だ、小いさい、背中に金と赤との印度織りの鞍掛けを着せられて、垂れ下った両耳の、長い灰いろの釣鼻を揺っては振り振り客呼びしてる。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
曲馬の天幕の前には三角耳の眼の細い象の子が、赤と金との鞍掛けに飾られて、まだ初々しい灰色の曲り鼻をあげあげ客呼びしていると、それと対って、白狐とも化け猫ともつかぬ絵看板の、「これはこのたび奥州|気仙沼は何とか何兵衛の女房お何が生み落しましたる血塊童子でござい。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
鞍掛岩、法螺貝岩、この岩脈の中にあり。
— 大町桂月 『妙義山の五日』 青空文庫
葛籠、鞍掛兩巖の間より岩脈の上に出でて右折すれば、石祠あり。
— 大町桂月 『妙義山の五日』 青空文庫
當年箱根より伊豆山へ下るには、蘆ノ湖の東南端より鞍掛山に上り、峯づたひに十國峠を經たるべしと思はる。
— 大町桂月 『沖の小島』 青空文庫
三重の塔の側を過ぎ、老杉の間を行きつくせば、左に溪を隔てて鞍掛岩を見る。
— 大町桂月 『冬の榛名山』 青空文庫