横膝
よこひざ
名詞
標準
文例 · 用例
彼は惘然として殆ど我を失へる間に、電光の如く隣より伸来れる猿臂は鼻の前なる一枚の骨牌を引攫へば、「あら、貴女どうしたのよ」 お俊は苛立ちて彼の横膝を続けさまに拊きぬ。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
さう云ふ訳なのでございます」「全然解らんですな」「貴方、可うございますよ」 可恨しげに満枝は言を絶ちて、横膝に莨を拈りゐたり。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
」 と言ひも敢へず煙管を取りて、彼は貫一の横膝をば或る念力強く痛か推したり。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
二 お高は読んでゐた講談本を伏せて横膝を正しながら縁先へ来て立つた少年の顔に親しい笑い顔を見せた。
— 田中貢太郎 『海異志』 青空文庫
八畳ばかりの室の中には、緋縮緬の長襦袢の上に青色の扱帯を締めた、島田に結うた壮い女が右の手を突いて艶かしく横膝に坐り、それと向き合って双子らしい袷を着た壮い色の白い男が鼓を肩にしてすわっていた。
— 田中貢太郎 『鼓の音』 青空文庫