寓所
寓所
名詞
標準
文例 · 用例
寓所ハ牛込|矢来町三番地|字中ノ丸丙六〇号」とある。
— 寺田寅彦 『子規自筆の根岸地図』 青空文庫
されど別に詮様もなく、ひたすらその到着を待ちたりしに、葉石久米堆氏より招待状来り板垣伯に紹介せんとぞいうなる、いと嬉しくて、直ちにその寓所に訪れしに、葉石氏は妾が出阪の理由を知らず、婦女の身として一時の感情に一身を誤り給うなと、懇ろなる教訓を垂れ給いき。
— 福田英子 『妾の半生涯』 青空文庫
そは友人板垣伯より貴嬢の志望を聞きて感服せり、不肖ながら学資を供せんとの意味を含みし書翰にてありしかば、天にも昇る心地して従弟にもこの喜びを分ち、かつは郷里の父母に遊学の許可を請わしめんとて急ぎその旨を申し送り、倉皇土倉氏の寓所に到りて、その恩恵に浴するの謝辞を陳べ、旅費として五十金を贈られぬ。
— 福田英子 『妾の半生涯』 青空文庫
その日は終日|女梁山泊を以て任ずる妾の寓所にて種々と話し話され、日の暮るるも覚ええざりしが、別れに臨みてお互いに尽す道は異なれども、必ず初志を貫きて早晩自由の新天地に握手せんと言い交わし、またの会合を約してさらばとばかり袂を分ちぬ。
— 福田英子 『妾の半生涯』 青空文庫
そうして私どもの寓所よりも近かったので、誰も外出すれば、このさかり場を逍遥したものである。
— 内藤鳴雪 『鳴雪自叙伝』 青空文庫
私は藤野氏の寓所へ行って著京を届けて、そのまま泊めてもらった。
— 内藤鳴雪 『鳴雪自叙伝』 青空文庫
氏の湯島の寓所は私の宅と接近していたから、知らせと共に駈け付けて大学病院へ入れた後、父の漸氏が出京するまでは私は昼夜附添っていた。
— 内藤鳴雪 『鳴雪自叙伝』 青空文庫
帰路紅葉を採集し、チベット寺に休憩し、午後二時寓所に着す。
— 井上円了 『西航日録』 青空文庫