便殿
びんでん異読 べんでん
名詞
標準
emperor's temporary place of sojourn
文例 · 用例
上段の間は、と見ると、そこは御便殿に当てるところで、純白な紙で四方を張り改め、床の間には相州三浦の山上家から贈られた光琳筆の記念の軸がかかった。
— 第二部下 『夜明け前』 青空文庫
旧本陣奥の間の風通しのよいところに横になって連れて来た女の子に乳房をふくませることも、先年東山道御巡幸のおりには馬籠|行在所の御便殿にまで当てられた記念の上段の間の方まで母のお民と共に見て回ることも、お粂には久しぶりで味わう生家の気安さでないものはなかったようである。
— 第二部下 『夜明け前』 青空文庫
部署既ニ畢ルヤ出デヽ朝廷|頒ツ所ノ府県奉職規則ヲ示シカツコレニ告ゲテ曰ク、余東京ヲ発スルノ前幾日、皇上|便殿ニ宣光ラヲ引見シ詔シテ曰ク民ハ国ノ本ナリ。
— 永井荷風 『下谷叢話』 青空文庫
玄宗召術士羅公遠、與空※法、同在便殿、羅時時反手掻背、羅曰借尊師如意、時殿上有華石、空揮如意、撃碎於其前、羅再三取如意不得、帝欲起取、空曰三郎勿起、此影耳、乃擧手示羅、如意復完然在手とある。
— 榊亮三郎 『大師の時代』 青空文庫
是歳不空三藏自西域還、詔入内結壇、爲帝灌頂、賜號智藏國師、時方士羅思遠者、以術得幸、有旨令與不空驗優劣、他日會干便殿、思遠持如意、向之言論次、不空取如意投諸地、令思遠擧之、思遠饒力不能擧、帝擬自取、不空笑曰、三郎彼如意影耳、即擧手中如意示之、とある。
— 榊亮三郎 『大師の時代』 青空文庫
七月二十三日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(比治山公園旧御便殿(広島)の写真絵はがき)〕 七月二十三日 エハガキが段々払底になり駄作連発。
— 一九四三年(昭和十八年) 『獄中への手紙』 青空文庫
で、折あるごとに、大官たちは電燈のこころよさ、火災の危険もないことなど、それとなくお耳に入れてみては、そこで『いかがでしょう、御便殿なども』と触れてみるが、陛下は『まあよい、まあよい』で、いつか二年余も経ってしまった。
— 吉川英治 『美しい日本の歴史』 青空文庫
いまも仮の便殿に入ると、筧の注いでいる大甕のかたわらへ寄って、自身小桶をつかんで塗りの盥にそれを汲み入れ、まるで鶺鴒のようにあたりを水だらけにしながら、せっかちに顔を洗いぬいていた。
— 第七分冊 『新書太閤記』 青空文庫
作例 · 標準
昔の都には、天皇が地方へ行幸する際に使う便殿が各地に設けられていた。
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歴史書によると、この場所にはかつて便殿があったらしい。
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便殿の跡地は、現在では公園として整備されている。
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ウィキペディア曖昧さ回避
便殿(べんでん、びんでん)は、日本の皇族の行在所(休憩所)。 御休所(国会議事堂) - 東京都千代田区。元々は便殿と呼ばれた。 御便殿 (七尾市) - 石川県七尾市。 御便殿 (浜田市) - 島根県浜田市。 御便殿 (広島市) - 広島県広島市。現存せず。
出典: 便殿 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0