糸を引く
いとをひく
表現動詞-五段-カ行
標準
to pull (the puppet) strings
文例 · 用例
噛み破ると透明な粘液の糸を引く。
— 寺田寅彦 『郷土的味覚』 青空文庫
山の上に山が重なり、秋の日の水のごとく澄んだ空気に映じて紫色に染まり、その天末に糸を引くがごとき連峰の夢よりも淡きを見て自分は一種の哀情を催し、これら相重なる山々の谷間に住む生民を懐わざるを得なかった。
— 国木田独歩 『小春』 青空文庫
衣服はびしょぬれになる、これは大変だと思う矢先に、グイグイと強く糸を引く、上げると尺にも近い山※の紫と紅の条のあるのが釣れるのでございます、暴れるやつをグイと握って籠に押し込む時は、水に住む魚までがこの雨に濡れて他の時よりも一倍鮮やかで新しいように思われました。
— 国木田独歩 『女難』 青空文庫
かねつけ蜻蛉が、ふわふわと、その時立ったが、蚊帳に、ひき誘われたようにふわりと寄ると、思いなしか、中すいて、塔婆に映って、白粉をちらりと染めると、唇かと見えて、すっと糸を引くように、櫺子の丸窓を竹深く消えたのである。
— 泉鏡花 『露萩』 青空文庫
(ボーン、ボーン、ボーン、)と云うのが、ねばねばと、重っくるしく、納豆の糸を引くように、そして、点々と切れて、蒼蠅の羽音やら、奴の声やら分らぬ。
— 泉鏡花 『吉原新話』 青空文庫
かけかまいなしで、電話の仮声まじりか何かで、(やあ、和尚さん、梅の青葉から、湯気の中へ糸を引くのが、月影に光って見える、蜘蛛が下りた、) と大気※じゃ。
— 泉鏡花 『春昼』 青空文庫
幸にそれにはちょっとした糸がついていたので、ぐいとその糸を引くと、針はすらりと抜ける。
— 鈴木三重吉 『千鳥』 青空文庫
」 新子の口惜し涙は、とうとう頬に糸を引くまでになって、身をふるわせながら、必死に叫んだ。
— 菊池寛 『貞操問答』 青空文庫
作例 · 標準
今回のプロジェクトの裏で、彼が糸を引いていると噂されている。
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その事件の黒幕は誰なのか、未だに糸を引く人物が捕まらない。
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彼は表舞台には出てこないが、水面下で様々な交渉の糸を引いているようだ。
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標準
to stretch out (and keep going)
作例 · 標準
納豆をかき混ぜると、ねばねばと糸を引く。
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このチーズは、温めるととろけて長く糸を引くのが特徴だ。
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引越しの時、ガムテープを剥がしたら、壁紙の糊が糸を引いた。
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