訳あって
わけあって
表現
標準
for some (unspecified) reason
文例 · 用例
実は是非|其方に逢わねばならぬ訳あって此頃御住居を片里に訊ね、小梅にまでお訪ねいたそうとしたところ……」「それはそれは恐れ入りました。
— 三上於兎吉 『艶容万年若衆』 青空文庫
いかなる訳あって夜道を一人|何処へといたわりながら聞く間もおそし、後から飛んで来る追手の二、三人、物をもいわず裲襠を剥取ってずたずたに引裂き鼈甲の櫛笄や珊瑚の簪をば惜気もなく粉微塵に踏砕いた後、女を川の中へ投込んだなり、いかにも忙しそうに川岸をどんどん駈けて行く。
— 永井荷風 『散柳窓夕栄』 青空文庫
訳あって小屋から身を隠し、こっそりどこかに住んでいて、俺が恋しているように、お前も恋しているのだろう。
— 国枝史郎 『任侠二刀流』 青空文庫
「実は」と長左衛門は怖る怖る代官様の顔を見て、「あの子は訳あってあの太郎右衛門が拾い上げて、これまで育てて参りましたもので……」と言いかけた時、代官様は、「それは、私も知っているのだ。
— 秋田雨雀 『三人の百姓』 青空文庫
何の訳あって不意討ちに、白刃を鼻ッ先で光らすのでござんす。
— 長谷川伸 『瞼の母 二幕六場』 青空文庫
松王 内密の訳あって、旅の途中にここを通りかかったまで。
— 藤野古白 『人柱築島由来』 青空文庫
斎藤内蔵助は名を利三といって、美濃の国|曾根の城主、稲葉一鉄とは婿舅のあいだがらにあったが、訳あって稲葉家を去り、当時浪人の身の上であった。
— 山本周五郎 『蒲生鶴千代』 青空文庫
「あんまり遅いので、さっき病院い電話かけたとこや」いわれて、私ははっとしながら咄嗟に巧いこと考えついて、「電話かけても分れへなんだやろ」いいますと、「ふん、中川いう人入院してへんいうのんで、何ぞ訳あって隠してるのんか思たのやけど。
— 谷崎潤一郎 『卍(まんじ)』 青空文庫
作例 · 標準
「訳あって、少し遅れます。」と彼は電話で伝えてきた。
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彼女が突然現れたのは、訳あってのことだったらしい。
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