芽柳
めやなぎ
名詞
標準
文例 · 用例
五蛙が啼くよ、沖田に芽柳もなびくよ。
— 北原白秋 『海豹と雲』 青空文庫
煙霞有情鼓うちつつ、冴えつつ、舟にて通ふ沼の女、芽柳かすむ朝とて黒髪風になびきぬ。
— 北原白秋 『第二海豹と雲』 青空文庫
反歌この春や水車が立つる水だまの早や大きなり芽柳のもと孟宗と月孟宗と月〔「孟宗と月」の章の長歌「孟宗と月」の末尾に〕反歌物すごき孟宗藪の月あかりかげるかと見れば騒ぐ葉の影秋山の歌〔「秋山の歌」の章に〕水之尾の秋この秋よ、雲は白うて、事もなき世にしあるかな。
— 北原白秋 『篁』 青空文庫
駅の芽柳を印象ふかく味はつた。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
・のぞいて芽柳のなつかしくも 妙蓮寺 お寺の大柳芽吹いてゆれて 春寒の鰒を並べて売りたがつてゐる 塩湯はよろしく春もしだいにととなふ景色 福沢先生旧邸 その土蔵はそのまゝに青木の実 三月十七日 日本晴、宇佐。
— 種田山頭火 『道中記』 青空文庫
背筋へ水をかけられたように、お粂がキッとうしろを見ると、そこに四、五本の芽柳があって、そこに四、五人の黒小袖。
— 吉川英治 『江戸三国志』 青空文庫
垂れを鳴らして、その駕が、葭町の辻を斜めに切ると、すぐまた、辻燈籠と芽柳の間に、ひょいと、姿を見せた十八、九の若い武士が、「駕屋駕屋、もう一挺――」 と、あわただしく、手を上げた。
— 吉川英治 『雲霧閻魔帳』 青空文庫
三 芽柳が、南割下水のゆるい流れと人通りの少ない往来に添って、並木になっていた。
— 吉川英治 『脚』 青空文庫