済書
せいしょ
名詞
標準
文例 · 用例
「そう、本はどれが要るんだか妾分らないから、あなた自分でお好きなのを択ってちょうだい」 津田は二階から軽い小説を二三冊持って来て、経済書の代りに鞄の中へ詰め込んだ。
— 夏目漱石 『明暗』 青空文庫
近ごろ君、経済書の売行が好いさうだが、何の事は無い、盗賊を見て縄を綯ふやうなもんだ。
— 内田魯庵 『青年実業家』 青空文庫
是れではドウモ御老中方へ御覧に入れることが出来ないと、妙な事を云うその様子を見るに、経済書中に人間|互に相譲るとか云うような文字が見たいのであろう。
— 福翁自伝 『福翁自伝』 青空文庫
大中小の辞書、地理書、歴史等は勿論、その外法律書、経済書、数学書などもその時殆めて日本に輸入して、塾の何十人と云う生徒に銘々その版本を持たして立派に修業の出来るようにしたのは、実に無上の便利でした。
— 福翁自伝 『福翁自伝』 青空文庫
ゆえに経済書を学ばざるものは、巨万の富豪も無産の貧漢に異ならず。
— 福沢諭吉 『学校の説』 青空文庫
この法はウェーランド氏経済書中の説に暗合せるものなり。
— 福沢諭吉 『京都学校の記』 青空文庫
今度再建春秋社が改めて古典経済書の一つとして本書の出版を企図されたについて、私はやはり学生用参考書としての本書の必要を感じ、同じく学生大衆用普及版を作る目的をもって、改めて全巻に亙って厳密に改訳の筆をとると共に、また戦後の傾向として用語の現代化をはかることとした。
— PRINCIPLES OF POLITICAL ECONOMY AND TAXATION 『経済学及び課税の諸原理』 青空文庫
自分は「先生」が上野の山の砲聲を聞きながら西洋の經濟書を講義したといふ逸事や、伯爵に敍すると云ふのを拒んだといふ話などよりも、あれ程一から十迄警世の事に一身を任ねた人も家庭に於ては極端に子供を甘やかしたといふ話を聞いた時に、かへつて「先生」の人となりを懷しく思つた。
— 愚者の鼻息 『貝殼追放』 青空文庫