思い置く
おもいおく
動詞
標準
文例 · 用例
本当に慾も未来も忘れましてどうぞまあ一晩安々|寐て、そうして死にますれば、思い置く事はないと存じながら、それさえ自由になりません、余りといえば悔しゅうございましたのに、こうやってお傍に置いて下さいましたから、いつにのう胸の動悸も鎮りまして、こんな嬉しい事はございませぬ。
— 泉鏡花 『湯女の魂』 青空文庫
死ぬとしても別に思い置く事はない。
— 夏目漱石 『琴のそら音』 青空文庫
別に思い置く事はないが死ぬのは非常に厭だ、どうしても死にたくない。
— 夏目漱石 『琴のそら音』 青空文庫
「十年振りで我が子の顔を見ましたれば、思い置くこともござりませぬ。
— 岡本綺堂 『心中浪華の春雨』 青空文庫
『乃公はもう何んにも思い置く事はねえよ。
— 広津柳浪 『昇降場』 青空文庫
生涯に一度は、名古屋の地、尾張の国の土を踏ませていただきたいとの念願が叶いまして、もう道庵も、この世に思い置くことはございません」と言って、土地ッ子を涙に咽ばせた手際なんぞも、鮮かなものでした。
— 畜生谷の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
「旦那、――私は死んでも思い置くことはございません。
— 火遁の術 『銭形平次捕物控』 青空文庫
――いっそ思い置くことはあるめえ。
— 久保田万太郎 『春泥』 青空文庫