谿々
谿々
名詞
標準
文例 · 用例
あ、谿々々、や、虎杖だ、 と、パンクだ。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
日本アルプスの谿々の雪は、ここから白壁を望むように見える。
— 島崎藤村 『千曲川のスケッチ』 青空文庫
」 これが秋の旅であるならば、夕風に散る木葉の雨の中を、菅笠で辿って行く寂しい味を占め得るのであるが、今は青葉が重り合って、谿々峰々|尽く青葉の吐息に薫っている。
— 吉江喬松 『木曾御嶽の両面』 青空文庫
」 之が秋の旅であるならば、夕風に散る木葉の雨の中を、菅笠で辿つて行く寂しい味を占め得るのであるが、今は青葉が重り合つて、谿々峰々盡く青葉の吐息に薫つて居る。
— 吉江喬松 『山岳美觀』 青空文庫
月明の谿々に、響きわたるさまは、何というか、いと物すさまじい其の場の光景でした。
— 海野十三 『崩れる鬼影』 青空文庫
背の低い樹々が枝から枝へ連って山々、谿々を埋めている。
— 宮本百合子 『九州の東海岸』 青空文庫
麓の村々ではまだ残る厚さにあえいでいるというのに、土用が終わって一旬も過ぎると、奥山の深い谿々の底には、もう冷涼の気が忍びやかにうかがい寄って、崖の小草を悲しませる。
— 佐藤垢石 『香魚と水質』 青空文庫
長く延びた波丘の間には、雲の垂れた空のもとに、淡緑に泡立つ谿々がひろがっている。
— TONIO KROGER 『トニオ・クレエゲル』 青空文庫