机越し
つくえごし
名詞
標準
文例 · 用例
三毛猫はすぐ立てばいいのを、骨惜みして早速前に虎猫のやつた通り、両手を机越しに延ばして、それを拾ひ上げようとしました。
— ……ある小さな官衙に関する幻想…… 『猫の事務所』 青空文庫
警察の中では巡査が三人、机越しに向い合って欠伸をしていた。
— 夢野久作 『芝居狂冒険』 青空文庫
道夫さん」 そういわれて道夫は、気味がわるかったけれど、雪子のことばにしたがわないわけにもいかないので、椅子から立上ると、手をのばして机越しに雪子の腕をつかんでみた――いや、つかんだつもりだったが、実際は手ごたえがまるでなく、何にもない空間をかきまわしているのと同じだった。
— 海野十三 『四次元漂流』 青空文庫
すでにそのとき、叔父が少し前かがみになり、左手にぺしゃんこになったパナマ帽を持ち、右手を遠くのほうから自分に差出し、邪魔になるあらゆるものにぶつかりながら、あたりかまわぬ急ぎかたで机越しに手を握る有様が、Kには眼に見えるようだった。
— DER PROZESS 『審判』 青空文庫