糸遊
いとゆう
名詞
標準
shimmering of hot air
文例 · 用例
林の一角、直線に断たれてその間から広い野が見える、野良一面、糸遊上騰して永くは見つめていられない。
— 国木田独歩 『武蔵野』 青空文庫
そちこち陽炎や、糸遊がたきしめた濃いたきもののように靡くでしょう。
— 泉鏡花 『春昼後刻』 青空文庫
竹のまばら垣に藤豆の花の紫がほかほかと咲いて、そこらをスラスラと飛交わす紅蜻蛉の羽から、……いや、その羽に乗って、糸遊、陽炎という光ある幻影が、春の闌なるごとく、浮いて遊ぶ。
— 泉鏡花 『夫人利生記』 青空文庫
窓から冬枯の川原が広広と見渡され、千鳥が啼き、川糸遊が立ち山の朝日が昇つて初春らしい気分になる。
— 平野萬里 『晶子鑑賞』 青空文庫
女のバサリと肩になげかけた髪から紫の糸遊が立ってその体を包んで居る様に男には見えた。
— 宮本百合子 『お女郎蜘蛛』 青空文庫
七月に入れば、水際に近い砂原の糸遊に揺れて、腰に通い筒を下げながら幾人もの釣り人が遠くかみ手の方へ歩いて行くのを見る。
— 佐藤垢石 『香魚の讃』 青空文庫
和歌で糸遊というのもこれである。
— 高浜虚子 『俳句はかく解しかく味う』 青空文庫
作例 · 標準
炎天下のアスファルトには、揺らめく糸遊が見えた。
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遠くの景色が糸遊のせいでぼやけていた。
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蜃気楼のように、糸遊が地平線を揺らめかせていた。
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