轟かす
とどろかす
動詞-五段-サ行動詞-他動詞
標準
to make (a thundering sound)
文例 · 用例
夕焼けの雲の色、霜枯れの野の色を見ては、どうしたらあんな色が出来るだろうと、それが一つの胸を轟かすような望みであった。
— 寺田寅彦 『枯菊の影』 青空文庫
海抜二百メートルくらいの山脈をへだてて三里もさきの海浜を轟かす土用波の音が山を越えて響いてくるのである。
— 寺田寅彦 『夕凪と夕風』 青空文庫
この長い手紙、と云ふよりもこの部厚な手記を前觸れもなく突然私の手から受け取つた時、お前がどんなに怪しんで胸を轟かすか、そして、またこの手記の一句一節を次第に辿つて行く時に、お前の心がどんなに痛み、どんなに悶えるか、それは私によく分つてゐる。
— 南部修太郎 『疑惑』 青空文庫
お願ひと申しますのは……」八 今は其の頼みと云ふのを聞かないわけには行かなく成つた―……聞かう、と唯吉は胸を轟かす。
— 泉鏡太郎 『淺茅生』 青空文庫
七 髪結洗濯 女史と相別れし後、妾は土倉氏の学資を受くるの資格なきことを自覚し、職業に貴賤なし、均しく皆神聖なり、身には襤褸を纏うとも心に錦の美を飾りつつ、姑らく自活の道を立て、やがて霹靂一声、世を轟かす事業を遂げて見せばやと、ある時は髪結となり、ある時は洗濯屋、またある時は仕立物屋ともなりぬ。
— 福田英子 『妾の半生涯』 青空文庫
相当の家作持ちらしく、若い夫妻である彼等は、決して、近所で名を轟かす、大家の虎屋のようなものではないらしかった。
— 宮本百合子 『又、家』 青空文庫
無論外に表わしはしなかったが、「国語の教師」Kの皮膚の下に未だ息づいている「文学失敗者」Kは平一郎のうちに胸を轟かすような芽生えを見つめていた。
— 地に潜むもの 『地上』 青空文庫
同年十月八日から厩橋城を打ち囲み、追手搦手から揉み合わせ、攻め轟かすこと雷霆もこれを避けるであろうという状況である。
— 佐藤垢石 『老狸伝』 青空文庫
標準
to make (one's name, etc.) widely known
標準
to make (one's heart) pound