お手手
おてて
名詞
標準
hand
文例 · 用例
」あとの一羽のいふことに、「うちの子供のしんせつな、わたしの子らが巣立して、つひ路邊へ落ちたとき、まるいお手手にとりあげて、枝にかへして呉れました。
— 薄田泣菫 『泣菫詩抄』 青空文庫
あたしは、お手手が、こんなに一ぱいなんでしょう。
— 竹久夢二 『博多人形』 青空文庫
(十一月十日)墓地はしづかなおべんたうをひらく梅干あざやかな飯粒ひかる行乞即事あなもたいなやお手手のお米こぼれますまぶしくもわが入る山に日も入つた高知城お城晴れわたる蔦紅葉銅像おごそか落つる葉もなく土佐路所見重荷おもけど人がひく犬がひく 十一月十一日 晴、滞在。
— 種田山頭火 『四国遍路日記』 青空文庫
」「おばさま、お手手出して。
— 室生犀星 『蜜のあわれ』 青空文庫
たまりかねて私は、それだけはやめてくれ、と口をとがらして抗議したら、周さんはけげんな面持ちで、だって日本では、子供に向っては、子供の言葉で、おてて、だの、あんよだの、そうでチュか、そうでチュか、と言うでしょう、それゆえ女性に対した時にも女性の言葉で言うのが正しいのでしょう、と答えた。
— 太宰治 『惜別』 青空文庫
うさうさ兎てんてん手毬、おててん手毬、手毬の中に、何がゐて跳ねる。
— 北原白秋 『とんぼの眼玉』 青空文庫
・みごもつてよろめいてこほろぎのいのち・日向ぼつこはなごやかな木の葉ちつてくる・ゆふかぜのお地蔵さまのおててに木の実・日かげいつか月かげとなり木かげ 空が風が秋ふかうなる変電所の直角形(改作) 十月十八日晴、自省あるのみである、苦しめるだけ苦しめ。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
此処ば、ばかりにおててんとうさまが照るんじゃあるまいし。
— 宮本百合子 『二十三番地』 青空文庫