牡蠣殻
かきがら
名詞
標準
文例 · 用例
老妓だけを東京へ返し、わたし達はめい/\相手としての芸妓を一人ずつ連れ、その夜から八幡、船橋、行徳というような都人の思い及ばぬ平素で牡蠣殻の臭いのする海村を二三日遊び廻った。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
牡蠣殻を載せた板屋根、船虫の穴だらけの柱、潮風に佗びてはいるが、此の辺の漁師の親方の家とて普通の漁師の家よりはやや大型である。
— 岡本かの子 『取返し物語』 青空文庫
若し我相場師とならば、喧囂雑踏極まりもなき牡蠣殻町の塵埃の中にも、我が閑天地を見出し得ん。
— 石川啄木 『閑天地』 青空文庫
赤錆だらけの牡蠣殻だらけのボロ船が少しも恐ろしい事アないが、それでも逃がして浦塩へ追い込めると士気に関係する。
— 内田魯庵 『二葉亭余談』 青空文庫
一、海岸に面した氷の斜面に足場を刻みながら、一歩一歩上って行くと、中腹の岩蔭に、人夫小屋が頑固な牡蠣殻のようにしがみついていた。
— 久生十蘭 『海豹島』 青空文庫
カンプゥタンは一万八千尺ほどの高地の斜面に、牡蠣殻のようにしがみついた五十戸ばかりの寒村だった。
— 久生十蘭 『新西遊記』 青空文庫
書庫と言わるる牡蠣殻のはきだめは、考えても胸糞が悪くなる。
— LES MISERABLES 『レ・ミゼラブル』 青空文庫
牡蠣殻粉とカリウムまたはナトリウムの重炭酸塩が普通この目的に使われる。
— A TREATISE ON ADULTERATIONS OF FOOD, AND CULINARY POISONS 『食品の混ぜ物処理および調理の毒物(1820)』 青空文庫