素知らぬ
そしらぬ
連体詞
標準
feigned
文例 · 用例
とにかく、乙姫はご自分の家へやつて來た珍客を階段まで出迎へて、さうして安心して、あとはあなたのお氣の向くままに勝手に幾日でもここで遊んでいらつしやるやうにと、素知らぬ振りしてああしてご自分のお部屋に引上げて行くといふわけのものぢやないんですかね。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
私は、素知らぬ振りして家の者にこの土地の感想を聞いてみたいと思つてゐる。
— 太宰治 『貪婪禍』 青空文庫
「我子とは誰ぞ」老婦は素知らぬ顔にて問いつ、「幸助殿はかしこにて溺れしと聞きしに」振り向いて妙見の山影黒きあたりを指しぬ、人々皆かなたを見たり。
— 国木田独歩 『源おじ』 青空文庫
葉藏は素知らぬふりをしてゐた。
— 太宰治 『道化の華』 青空文庫
自分はそっとこの革包を私宅の横に積である材木の間に、しかも巧に隠匿して、紙幣の一束を懐中して素知らぬ顔をして宅に入った。
— 国木田独歩 『酒中日記』 青空文庫
これは妻の寝静まった後ならではと一先素知らぬ顔で床に入った。
— 国木田独歩 『酒中日記』 青空文庫
ただかの美しき乙女よくこれを知るといえども、素知らぬ顔して弁解の文を二郎が友、われに送りぬ。
— 国木田独歩 『おとずれ』 青空文庫
夫人は素知らぬ顔で水量の平衡を保って、如何にも健全そうな噴水を、とみこう見していたが、「なに言ってらっしゃるのです」と床から私のいる窪へ階段を降りて来た。
— 岡本かの子 『噴水物語』 青空文庫
作例 · 標準
子供は、おもちゃを隠されたことに素知らぬ様子で、無邪気に笑っていた。
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彼は、街で偶然元同僚に会ったが、まるで知らない人のように素知らぬ顔をして通り過ぎた。
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先生が難しい質問をしても、彼女は知っているのに素知らぬ振りをして、静かにしていた。
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