怨府
えんぷ
名詞
標準
文例 · 用例
自粛しなければ国民の怨府となるであろう。
— 石原莞爾 『戦争史大観』 青空文庫
たった十分、たった一つの突剣で、大臣と云われ、怨府となってもとにかく政府を支えて居た原敬が、死に、無力になり、つまり土になってしまう。
— 一九二一年(大正十年) 『日記』 青空文庫
而して平氏の酔態は、平氏自身をして天下の怨府たらしめしが如く、亦東国の武士をして少からざる不快を抱かしめたり。
— 芥川龍之介 『木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)』 青空文庫
是に於て、彼は福原に退嬰するの平氏をして、天下の怨府たらしむる所以なるを見、一歩を退くの東国の源氏をして、遠馭長駕の機を得しむるを見、遂に策を決して、旧都に還れり。
— 芥川龍之介 『木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)』 青空文庫
六國を滅ぼした彼が、如何にその遺族舊臣の怨府となつて居るかは、彼自身は萬承知して居る。
— 桑原隲藏 『秦始皇帝』 青空文庫
神尾主膳は、あれだけでは飽き足らないで、あらゆる流言を放ってこの機会に、駒井能登守というものを士民の間の憎悪と怨府とにしてしまおうという策略のように見えました。
— 慢心和尚の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
衆庶の怨府となった水野越前守|忠邦はこの年の二月に老中の職を免ぜられたのである。
— 永井荷風 『下谷叢話』 青空文庫
またそれが道鏡を誑かすの手段であったならば、彼は道鏡の党与の最大怨府でなければならぬ。
— 喜田貞吉 『道鏡皇胤論について』 青空文庫