こけら葺き
こけらぶき
名詞
標準
shingling
文例 · 用例
記念に残された写真で見ると、全体にこけら葺きの厖大な屋根をそつくり地面に立てたやうな建物で、何となく古代の天地根元造りを思はせるやうな異色のあるものだつた。
— 田畑修一郎 『出雲鉄と安来節』 青空文庫
こけら葺きの古い傾きかかつた湯の宿は、いかにも山の湯らしい落ちつきを与へた。
— 吉田絃二郎 『八月の霧島』 青空文庫
こうしてしっかりした、こけら葺きで漆喰塗りの家ができあがった。
— WALDEN, OR LIFE IN THE WOODS 『森の生活――ウォールデン――』 青空文庫
その家は戦災後の東京でよく見かけるような、こけら葺きの板小屋であった。
— 和辻哲郎 『夢』 青空文庫
新しいこけら葺きの建物が三棟、物置、厩などがあり、栽培地は、丘と、斜面と、沼でもあったらしい湿地と、そして建物の西がわの平地とに繩張りがされ、しきりに土を鋤き返しているところだった。
— 山本周五郎 『山彦乙女』 青空文庫
だが町の家並は小さく、棟は低く、こけら葺きの屋根も、軒や羽目板も、灰色に乾き曝されて、家と家はごたごたと肩を寄せあい、地面にしがみついているようにみえ、いかにも土地の季候の荒いことを示していた。
— 第三部 『樅ノ木は残った』 青空文庫
まだ千束村の田甫時代、公園裏の田甫中へ全くの一軒家、こけら葺きの粗末な構え、くねった丸太の門柱へ宗匠流の達筆で「たぬき汁」の一枚看板、玄関前に陶製の大きな狸が徳利を提げた立姿で客待ち顔、庭には活きた仲間が一匹遊んでいたようだが、肝腎の狸汁は、つい恐れをなして食わなかった。
— 山本笑月 『明治世相百話』 青空文庫
『塵塚談』という書物は、ちょうどこれから少し後に生まれた老人の、若いころの見聞をしるしたものだが、これには目抜きの大通りだけでなく、山の手|端ばしの武家町家ともに、こけら葺きに蠣殻をのせた屋根がふつうだったと出ているから、ところどころには、まだ小さな藁屋だけはのこっていたのである。
— 柳田国男 『母の手毬歌』 青空文庫
作例 · 標準
この寺院の屋根は、日本伝統の美しいこけら葺きで仕上げられている。
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こけら葺きの屋根は通気性が良く、日本の気候に適した知恵の結晶だ。
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数十年ぶりに、こけら葺きの全面的な葺き替え作業が行われることになった。
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