童姿
わらべすがた
名詞
標準
文例 · 用例
その築土の崩れのところを誰が見てもそれと點頭かれる狩衣姿の上品な若い男が童姿の供を一人つれて、そこを乘り越えて此方へと入つて來ようとしてゐる形であつた。
— 田山花袋 『道綱の母』 青空文庫
童姿の供の太刀の薄暮の中に動くのもそれと微かに透いて見えた。
— 田山花袋 『道綱の母』 青空文庫
かう思つて見てゐると、童姿の供はそこにぼんやりとその輪郭を薄暮の空氣の中に色濃く見せてゐるけれども、その男の方の姿は、いつかすひ込まれるやうにその内に消えてなくなつて了つてゐる。
— 田山花袋 『道綱の母』 青空文庫
次第に夜になれば夜になつたで、星あかりのやうなものが微かにも地上に及んでゐると見えて、さつき見た時よりも、童姿の供のそこに待つてゐる輪郭がそれとはつきりするやうになつた。
— 田山花袋 『道綱の母』 青空文庫
さうかと思ふとヨチヨチ這ひ廻つてゐる松篁の幼な姿が、牛乳を飲んでるところや乳母車に乗つてるのや、いろいろあるかと思ふと七、八つ位のお河童姿のお園さん(栖鳳先生の令嬢)がいくつも写してある。
— 上村松園 『写生帖の思ひ出』 青空文庫
まもなく小門のくぐりがあいて、そこから首を出したのは、同じような河童姿、法衣のかけらで、寒山拾得の出来損いが、まさに二人揃ったものです。
— 不破の関の巻 『大菩薩峠』 青空文庫