浄妙
じょうみょう
名詞
標準
文例 · 用例
馬楽供養菜種河豚のころに延ばして弥太郎忌 容 薄暗い本堂の中まで、かっと明るい春の光がさしこんできていた、三月二十三日午前、下谷桜木町浄妙院。
— 正岡容 『随筆 寄席風俗』 青空文庫
一切蔵経を読んで居る中においてもときどき俗務に使われる事があってせっかく出家をした甲斐がないから、かの世界第一の高山ヒマラヤ山中にて真実|修行を為し得るならば、俗情を遠く離れて清浄妙法を専修することが出来るだろうという、この願望が私のヒマラヤ山道を越えて入蔵する主なる原因でありました。
— 河口慧海 『チベット旅行記』 青空文庫
霜柱 よく晴れた朝の九時、――浄妙院の裏門から出て来たおみやは冬空に高く棟を張った、浅草寺の本壁の屋根や、五重塔を眺めるようすで、すばやく道の左右に眼をはしらせながら、伝法院の脇を歌仙茶屋のほうへぬけていった。
— 第一部 『樅ノ木は残った』 青空文庫
浄妙院の住持との、飽くことを知らない、膏ぎった時間のあとで、新八の憔悴した姿が、却っておみやを強く唆った。
— 第一部 『樅ノ木は残った』 青空文庫
「坐ってちょうだい、あたしあんたを騙したおぼえもないし、あんたにけがらわしいなんて云われるおぼえもないことよ」 新八は「それじゃあ」と吃りながら云った、「あの浄妙院はいったいなんだ」「浄妙院がどうしたの」とおみやが訊き返した。
— 第一部 『樅ノ木は残った』 青空文庫
浄妙院がどうした、というおみやの反問は、あまりに平静で、いささかの恥も、うしろめたさもなかった。
— 第一部 『樅ノ木は残った』 青空文庫
「浄妙院のことはあんたに云ってある筈よ」とおみやは云った。
— 第一部 『樅ノ木は残った』 青空文庫
また堂衆の一人、筒井の浄妙明秀は黒皮縅の鎧に五枚兜の緒をしめ、二十四本の黒ほろの矢を背に白柄の大長刀を掴んで橋に一人進み、轟く大音声をあげた。
— 第四巻 『現代語訳 平家物語』 青空文庫