懸人
懸人
名詞
標準
文例 · 用例
所謂「生国相知れ申さぬ」「見懸人穢多」の子孫という類のものの中には、エタならぬ落伍者も雑っていたと察せられるのである。
— 喜田貞吉 『特殊部落の人口増殖』 青空文庫
旧徳島藩での、「郷士格以下|身居調査書」というものに、他国より年来罷越居候流浪人、吟味の上村方故障無之分は、居懸百姓又は見懸人に相|居、医者又は賤しからざる渡世仕来候者は、郡付亦は郷付浪人等に申付候様、享和二戌年御内達に有之。
— 平民申付候事 『来り人の地位と職業』 青空文庫
こんな有様で、相当の身分のものは相当の待遇をも受けたが、普通には役所向きでは見懸人ということに扱われ、民間では「筋」が違うとして疎外される。
— 平民申付候事 『来り人の地位と職業』 青空文庫
乍恐奉願上覚私義先代より当村へ来人に相成居申内、土地風稼方相覚、仮成に渡世相送り候に付、見懸人に被仰付、年々に両度見懸銀少々宛上納奉仕居申所、此度戸籍偏製御取調に付、何卒|百姓居に被仰付被為下候得者、重畳難有仕合に奉存候。
— 平民申付候事 『来り人の地位と職業』 青空文庫
明治四年未三月海部郡久保村見懸人 井上祖父八※同 岡本常吉※同 佐藤素平※同 白浜平作※同 那来直八※岡本常吉小家 岡本常八※民政掛御役所様右之者共奉願上段、相違無御座候。
— 平民申付候事 『来り人の地位と職業』 青空文庫
未三月久保村五人組 喜多武三郎 高野宇平民政掛御役所様 ここに「見懸人」とは、その村に居付きの人民ではなく、しかも現に住しているものに対して、見懸銀と称して課税した、その見懸銀納付者の称である。
— 平民申付候事 『来り人の地位と職業』 青空文庫
そしてこの見懸人たる、身分柄中途半端の来り人が、恐れながら重畳有り難き仕合せに存じ奉って願い上げ奉ったのに対して、民政掛の指令は、平民申付候事 という六字であった。
— 平民申付候事 『来り人の地位と職業』 青空文庫
文化九年の「阿波国海部郡多良村御蔵穢多棟付御改帳」に、一、壱家 乙石 歳拾三此者曾祖父太郎左衛門義、享保十二未年棟付御改帳に、見懸人穢多と相付居申所、此度棟付御取調に付、彼是御詮義の上、穢多と付上候様被仰付候に付、右の通付上申候。
— 喜田貞吉 『エタ源流考』 青空文庫