見真似
みまね
名詞
標準
文例 · 用例
すべて技の進歩といふものは、見やう見真似で覚えることから発するのである。
— 中原中也 『詩と其の伝統』 青空文庫
老人だから、楽屋で急病が起って、踊の手練が、見真似の舞台を勤めたというので、よくおわかりになろうと思う。
— 泉鏡花 『木の子説法』 青空文庫
「何も、家伝の秘法の言ふて、勿体を附けるでねえがね……祖父の代から為た事を、見やう見真似に遣るでがすよ。
— 泉鏡太郎 『神鑿』 青空文庫
字は宋拓を見よう見真似に書いた。
— 岡本かの子 『食魔』 青空文庫
母が仕慣れた酌の手つきなら見よう見真似で、わたくしにも出来たけれども、それをすることは何となく気恥かしく、わたくしはたゞ徳利を棒掴みに掴んで注ぎ口を池上の方に向けました。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
もし人から教えられなければ、見よう見真似で自分で工夫をする。
— 岡本かの子 『仏教人生読本』 青空文庫
ところが、癌の苦痛という感覚の前にはもうそんな神経もいつか図太くなって来たのか、背に腹は代えられぬ注射の手伝いをしているうちに、次第に馴れて来て、しまいには夜中看護婦が眠っている間一代のうめき声を聴くと、寺田は見よう見真似の針を一代の腕に打ってやるのだった。
— 織田作之助 『競馬』 青空文庫
あわてて按摩を雇ったり、見よう見真似の灸をすえてやったりしたが、追っ付かず、「どんな病気もなおして見せる」という看板の手前、恥かしい想いをしながらこっそり医者をよんで診せると、「――こりゃ、神経痛ですよ。
— 織田作之助 『勧善懲悪』 青空文庫