日除け
ひよけ
名詞
標準
文例 · 用例
しかし、道で道路工事をしている人々や、日除け付きの牛車を曳いている人々が、どこの種族とも見受けられない、黒光りや赫黒い顔をして眼を炯々と光らせながら、半裸体で働いている。
— 岡本かの子 『河明り』 青空文庫
小山駅で水戸の三人武者とも別れて、後はただ一人、俄かに淋しくなれば数日以来の疲労も格段に覚えて、吾輩は日光の鮮かに照す汽車の窓から遠近の景色を眺めていると、吾輩に向い合って腰掛けていたのは頬骨の高いハイカラ紳士、物をもいわず猿臂を伸ばして、吾輩が外を眺めている車窓の日除け扉を閉ざす。
— 押川春浪 『本州横断 癇癪徒歩旅行』 青空文庫
半七は日除けのように白地の手拭をかぶって、観世物小屋の前へ来かかると、善八と亀吉はひと足さきに来て、なにげなく小屋の看板をながめていた。
— 幽霊の観世物 『半七捕物帳』 青空文庫
停車場の前には百日紅の大きい枝がさながら日除けのように拡がっていましたが、そのたくさんの花が白昼の日にあかあかと照らされているのが、まぶしいほどに暑苦しく見えました。
— 岡本綺堂 『探偵夜話』 青空文庫
亜剌比亜式の平べったい煉瓦積み(煉瓦は板壁にペンキで描いたもの)に、カーキー色と赤のダンダラの日除けを張りまわしているのがある。
— 夢野久作 『街頭から見た新東京の裏面』 青空文庫
日除けの幕を一面に引廻わして防いでも、吹き込む雨にびしょ濡れに濡れる。
— 吉江喬松 『木曾御嶽の両面』 青空文庫
日除けの隙から覗いて見ると、紺絣の下に雪袴といってこの辺の農夫が着けている紺木綿の袴ようなものを穿いて傘をさしている。
— 吉江喬松 『木曾御嶽の両面』 青空文庫
日除けの隙から覗いて見ると、紺絣の下に雪袴といつて此邊の農夫が着けてゐる紺木綿の袴やうなものを穿いて傘をさしてゐる。
— 吉江喬松 『山岳美觀』 青空文庫