纎手
纎手
名詞
標準
文例 · 用例
』と母君の纎手に依りすがると春枝夫人は凛々しとはいひ、女心のそゞろに哀を催して、愁然と見送る良人の行方、月は白晝のやうに明だが、小蒸※船の形は次第々々に朧になつて、殘る煙のみぞ長き名殘を留めた。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫
柴門の外の雁木にうつぶきて、水に纎手をひたせる少女は、澤につみたる根芹洗ふにやあらむ。
— 大町桂月 『水戸觀梅』 青空文庫
父をいたはりて、かよわき纎手に、舟を漕ぐ心根、殊勝にもあはれなり。
— 大町桂月 『鹿島詣』 青空文庫
それだけならまだ驚くに足らなかつたかも知れませんが、その描かれた六人の浮世繪の美女の、四人までがその纎手に墨で短刀を描き添へられ、それ/″\の短刀に、赤黒い眞物の血糊がついてゐるとしたらどうでせう。
— 浮世繪の女 『錢形平次捕物控』 青空文庫