幻辞.com

煮染め

にしめ
名詞
1
標準
文例 · 用例
法師が入った口とは対向い、大崩壊の方の床几のはずれに、竹柱に留まって前刻から――胸をはだけた、手織|縞の汚れた単衣に、弛んだ帯、煮染めたような手拭をわがねた首から、頸へかけて、耳を蔽うまで髪の伸びた、色の黒い、巌乗造りの、身の丈抜群なる和郎一人。
泉鏡花 草迷宮 青空文庫
其内腰に挟んだ、煮染めたやうな、なへ/\の手拭を抜いて克明に刻んだ額の皺の汗を拭いて、親仁は之で可しといふ気組、再び前へ廻つたが、旧に依つて貧乏動もしないので、綱に両手をかけて足を揃へて反返るやうにして、うむと総身の力を入れた。
泉鏡太郎 高野聖 青空文庫
だがまあ、大したことはありますまいよ」 約束の通りに強飯やお煮染めの御馳走が出た。
お化け師匠 半七捕物帳 青空文庫
縞柄も分らない筒袖の古浴衣に、煮染めたやうな手拭を頬被りして、水の中に立つたのは。
泉鏡花 光籃 青空文庫
褌の掛がえを一条煮染めたような手拭、こいつで顱巻をさしたまま畳み込んだ看板、兀げちょろの重箱が一箇、薄汚え財布、ざッとこれで、身上のありッたけを台箱へ詰め込んだ空車をひいて、どうせ、絵に描いた相馬の化城古御所から、ばけ牛が曳いて出ようというぼろ車、日中は躄だって乗りやしません。
泉鏡花 式部小路 青空文庫
幅狭き布子の上掻を引張り合せて、膝小僧を押包み、煮染めたような手拭にて、汗を拭き拭き畏り、手をつきて美人の顔、じっと見詰むる眼に涙。
泉鏡花 貧民倶楽部 青空文庫
その内腰に挟んだ、煮染めたような、なえなえの手拭を抜いて克明に刻んだ額の皺の汗を拭いて、親仁はこれでよしという気組、再び前へ廻ったが、旧によって貧乏動もしないので、綱に両手をかけて足を揃えて反返るようにして、うむと総身に力を入れた。
泉鏡花 高野聖 青空文庫
大阪のエッセンスを煮染めたような地元、守口、門真の風土には、ロックマニアで作家志望の感性には受け入れがたい臭みがあった。
富田倫生 パソコン創世記 青空文庫