話材
わざい
名詞
標準
文例 · 用例
」といふ意味を、悲痛な話材によつて斷定した。
— 萩原朔太郎 『芥川龍之介の死』 青空文庫
来たには来たが彼は話材を考案する余裕を持つことなしに来たことを彼は社長の庭園のお世事を言つてしまつた時に気付いた。
— ――飜弄さる 『蜻蛉』 青空文庫
もう何年来となく舅達の話材の中心なので樽野も朧気に概要を知らされたのだが、Y村の海岸一帯を埋め立てゝ鉄道を敷設し、港となし、温泉町を建てるといふ計劃なのだつた。
— 牧野信一 『円卓子での話』 青空文庫
彼は、哲学などにも多少の興味を持つてゐるらしく、話材がなくなると勿体振つた口調で昔の学者の名前をあげては色々な場合にそれらの所説を引用して、六ヶし気に眉をよせるのが癖だつた。
— 牧野信一 『夏ちかきころ』 青空文庫
「君のことばかりが話材になるんで面白くない、今度は俺のことに就いて話さうぢやないか?
— 牧野信一 『夏ちかきころ』 青空文庫
」 やつぱり自分の事が話材になつてゐたのか……と私は、気づいた時突然妙に上づツた口調で喋舌り出した。
— 牧野信一 『毒気』 青空文庫
」 現実的で、その上頭の鈍い私は、何事でも手近な例を取らないと話も出来ない私は、相手の折角の話材を乾かすやうにそんなことを云つた。
— 牧野信一 『環魚洞風景』 青空文庫
だから藤村だつて、他にどんな種類の話材でもありさへすれば、決して「山の音響」などを問題にしたくはなかつたに違ひないのだ。
— 牧野信一 『環魚洞風景』 青空文庫