尺余
しゃくよ
名詞
標準
文例 · 用例
庭の向う側は、低い軒から下四尺余りは、胡桃だの、杉だの、藤だのの、濃緑色のために、暗い背景をしているのだ。
— ――生きる為に―― 『山谿に生くる人々』 青空文庫
雪は二尺余り積もっていた。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
牛島の藤は、樹齢千年、熊野の藤は、数百年と称えられ、その花穂の如きも、前者で最長九尺、後者で五尺余と聞いて、ただその花穂にのみ、心がおどる。
— 太宰治 『斜陽』 青空文庫
ふと鼠色の長い影が、幕を斜違いに飜々と伝わったり……円さ六尺余りの大きな頭が、ぬいと、天井に被さりなどした。
— 泉鏡花 『吉原新話』 青空文庫
それが――困りましたな――これもお話の中にありましたが、大な青竹の三尺余のずんどです。
— 泉鏡花 『半島一奇抄』 青空文庫
冬の事での、其の前兆べい、八尺余も積つた雪が一晩に融けて、びしや/\と消えた。
— 泉鏡太郎 『神鑿』 青空文庫
仮小屋一 楽屋なる居室の小窓と、垣|一重隔てたる、広岡の庭の隅、塵塚の傍に横わりて、丈三尺余、周囲およそ二尺は有らむ、朽目赤く欠け欠けて、黒ずめる材木の、その本末には、小さき白き苔、幾百ともなく群り生いたり。
— 泉鏡花 『照葉狂言』 青空文庫
並の席より尺余床を高くして置いた一室と離屋の茶室の一間とに、家族十人の者は二分して寝に就く事になった。
— 伊藤左千夫 『水害雑録』 青空文庫