肩下
かたした
名詞
標準
文例 · 用例
壁にはいつの間に描いたのか、丸まげに結った女と、シルクハット姿の男の顔が茶色の色鉛筆で描いてあり、それぞれ、「君チャンノオカアチャン」「君チャンノオトウチャン」 と、右肩下りの字で説明がついていた。
— 織田作之助 『わが町』 青空文庫
「女房が逃げました」 わりに上手な、しかし右肩下りの字で、置手紙があった。
— 織田作之助 『土曜夫人』 青空文庫
右肩下りは、昔からの癖だったね。
— 織田作之助 『勧善懲悪』 青空文庫
右肩下りの背中のあとについて、谷ぞいの小径を歩きだした。
— 織田作之助 『秋深き』 青空文庫
その遺書は右肩下りの下手な字で、おまけに鉛筆で、片仮名を使つて書かれてあり、それが文面の効果を一層どぎつくさせてゐた。
— 織田作之助 『六白金星』 青空文庫
血の垂れる肩下へ手を廻し、立ち騒ぐ侍臣たちを制して、「おれを斬るとは面白い女、ははははは――。
— 林不忘 『煩悩秘文書』 青空文庫
肩下のあたりに、蓮華の花びらが透しになって、その中に、あるかなしかというように「王」という字が見える。
— 久生十蘭 『呂宋の壺』 青空文庫
平次の右足は二三寸短かくなつて、左肩下りの醜怪な佝僂の恰好になつて了つたのです。
— 双生兒の呪 『錢形平次捕物控』 青空文庫