幻辞.com

名詞
1
標準
文例 · 用例
りして悦んだことが今に忘れられない。
伊藤左千夫 井戸 青空文庫
永井荷風が『歓楽』のうちで「得ようとして、得た後の女ほど情無いものはない」といっているのは、異性の双方において活していた媚態の自己消滅によって齎らされた「倦怠、絶望、嫌悪」の情を意味しているに相違ない。
九鬼周造 「いき」の構造 青空文庫
ああこのわかやげる思ひこそは春日にとける雪のやうだやさしく芽ぐみしぜんに感ずるぬくみのやうだたのしくうれしくこころときめく性の動。
萩原朔太郎 青猫 青空文庫
それは常に現實的實感の上位を跳して、高く天空に向つて押しあげる意志であり、一つの甘美にして醗酵せる情緒である。
萩原朔太郎 青猫 青空文庫
詩は實感の上位に跳し、散文は實感の下位に沈滯する。
萩原朔太郎 青猫 青空文庫
之に反して定律詩の強味は、その拍節の明確な響からくる力強い動にある。
萩原朔太郎 青猫 青空文庫
かしこを高く天路を翔けさる鳥のやうにひとつの架橋を越えて跳しよう。
萩原朔太郎 蝶を夢む 青空文庫
かりにメフィストフェレスが出現して、今一度青春を与えようと約束しても、僕はファウストのように小りして、即座に跳びつくか否かは疑問である。
萩原朔太郎 老年と人生 青空文庫