ほととぎす
ほととぎす
名詞
標準
文例 · 用例
ほととぎす、梅雨ばれの白日や、大河流るる音きき居れば。
— 萩原朔太郎 『短歌』 青空文庫
折釘に烏帽子かけたり宵の春春の夜に尊き御所を守る身かな春雨や同車の君がさざめ言ほととぎす平安朝を筋かひにさしぬきを足で脱ぐ夜や朧月 引例を見ても解るように、特に春の句においてそれが多いのは、平安朝の優美でエロチックな文化や風俗やが、春宵の悩ましい主観において、特にイメージを強く与えるためなのだろう。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
「昔思ふ草の庵の夜の雨に涙なそへそ山ほととぎす」これは「盧山雨声草庵中」といふ句のある白楽天の漢詩を日本風に訳したものだと言ふ。
— 萩原朔太郎 『詩の翻訳について』 青空文庫
遠音に渡るかほととぎすの。
— 萩原朔太郎 『絶句四章』 青空文庫
(一行あけて)ほととぎす、いまわのきわの一声は、「死ぬるとも、巧言令色であれ!
— ――当りまえのことを当りまえに語る。 『もの思う葦』 青空文庫
とはじめて褒められたそうじゃないか、何事にも根気が必要です、と言ってお茶を一と口のんで、こんどは低い声で、ほととぎす、ほととぎすとて明けにけり、と呟き、なるほどねえ、うまく作ったものだ、と自分でひとりで感心して居られます。
— 太宰治 『千代女』 青空文庫
紛れもないほととぎすである。
— 寺田寅彦 『浅間山麓より』 青空文庫
郷里高知の大高坂城の空を鳴いて通るあのほととぎすに相違ない。
— 寺田寅彦 『浅間山麓より』 青空文庫