情合い
じょうあい
名詞
標準
文例 · 用例
「今までからも病身な年寄りとばかりいっしょにいるから、時々は邸のほうへよこして、母と子の情合いのできるようにするほうがよいと私は言ったのだけれど、絶対的にお祖母さんはそれをおさせにならなかったから、邸のほうでも反感を起こしていた。
— 若紫 『源氏物語』 青空文庫
母子の情合いは病んでからいっそう厚くなったように思われた。
— 田山花袋 『田舎教師』 青空文庫
また同郡|唐丹村、今手山金鉱での口碑には三郎となっておりまして、やはり炊事係でありますが、これにはこの男が流し下に溜まる飯粒を克明に拾い集めておき、毎日それをカラスにやったと言い、墜坑のとき呼び出したのはたぶんそのカラスであったろうというような情合い談もあります。
— 佐々木喜善 『東奥異聞』 青空文庫
女の情合いというものは、何と許すことに馴れているのでしょう!
— 一九三八年(昭和十三年) 『獄中への手紙』 青空文庫
「何という唄だか知らないが、聞いているうちに、何とも言えない熱い情合いがうつって、たまらない。
— 恐山の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
あの女が盗ったのだ、あの女が、泊り合わせた美僧と美女の情合いを嫉んで、美僧がかけて置いた釘頭の財を、そっと奪って隠したればこそ、二人は命を失った、財を奪うは即ち命を奪う所以であった。
— 山科の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
「あら、そんなはずではありませんのよ、わたしが嬉しいことは、あなたにも悦んでいただきたいから申しあげたのに、わたしにここへ留まって、あなただけがお出かけなさるなんて、そんな情合いで申し上げたのじゃあありません。
— 山科の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
まさに無理のない情合いもある、というようなことを兵馬が感じました。
— 山科の巻 『大菩薩峠』 青空文庫