玻
玻
名詞
標準
文例 · 用例
ああ秋ふかみなめいしにこほろぎ鳴きええてるは玻璃をやぶれど再會のくちづけかたく凍りてふんすゐはみ空のすみにかすかなり。
— 萩原朔太郎 『純情小曲集』 青空文庫
月光と海月月光の中を泳ぎいでむらがるくらげを捉へんとす手はからだをはなれてのびゆきしきりに遠きにさしのべらるもぐさにまつはり月光の水にひたりてわが身は玻璃のたぐひとなりはてしかつめたくして透きとほるもの流れてやまざるにたましひは凍えんとしふかみにしづみ溺るるごとくなりて祈りあぐ。
— 萩原朔太郎 『純情小曲集』 青空文庫
地下の薄暗い岩の影で、青ざめた玻璃天井の光線が、いつも悲しげに漂つてゐた。
— 萩原朔太郎 『宿命』 青空文庫
反対にそうした蛮地に住んでいる土人は、近代文明の不思議な機械や、魔術のような大都会や、玻璃宮の窓に映る不夜城の美観を眺めて、この上もなく詩的なものに思うであろう。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
私の机上には、有り合せの玻璃瓶に、菜の花が投げ込んである、これは弟に捜させて、採って来たものである、天鵞絨のように、手障りの柔らかな青い葉が、互い違いになって、柱のような茎を取りまいて居る、此柱の頭から、莟みが花傘なりに簇がって、蛹虫の甲羅のように、小さく青く円くなっている。
— 小島烏水 『菜の花』 青空文庫
一女をもうけ、玻璃子と名づけた。
— 太宰治 『水仙』 青空文庫
玻璃子ちゃんのいるのをお忘れですか?
— 太宰治 『水仙』 青空文庫
それにしても、玻璃子が不憫である。
— 太宰治 『水仙』 青空文庫