煤払い
すすはらい
名詞
標準
文例 · 用例
折節年末の煤払いして屋根裏を改めると、棟木の間より杉原紙の一包みを捜し出し、見るにかの年玉金なり。
— 鼠に関する民俗と信念 『十二支考』 青空文庫
ところがどうでしょうその年の大晦日になって、煤払いをしたところ、なくなったと思った新鋳の小判が畳の下から出て来たそうで。
— 国枝史郎 『猿ヶ京片耳伝説』 青空文庫
明日指環を返さなきゃ、承知しやアしない」「煤払いの時、衆人の前で面の皮を引ん剥いておやりよ」「それくらいなことをしたッて平気だろうよ。
— 広津柳浪 『今戸心中』 青空文庫
十一 午前の三時から始めた煤払いは、夜の明けないうちに内所をしまい、客の帰るころから娼妓の部屋部屋を払き始めて、午前の十一時には名代部屋を合わせて百|幾個の室に蜘蛛の網一線剰さず、廊下に雑巾まで掛けてしまった。
— 広津柳浪 『今戸心中』 青空文庫
篇中の事件は酉の市の前後から説き起されて、年末の煤払いに終っている。
— 永井荷風 『里の今昔』 青空文庫
衝立もおかず仕切もなく、煤払いの日の銭湯の流し場のようなぐあいになって、たがいに背中をすりあわせながら三味線をひいたり騒いだりしながら月を待っている。
— 両国の大鯨 『顎十郎捕物帳』 青空文庫
支度をして竹刀を持って、ともかくも道場のまん中に立ちは立ったが、その姿勢は剣術をやるより煤払いのほうが似合っているようにみえる。
— 山本周五郎 『恋の伝七郎』 青空文庫
七夕送りと称していろいろの好ましからぬものを送り出し、盆を清らかな日にしようとしたことは、正月前の煤払いともよく似ている。
— 柳田国男 『年中行事覚書』 青空文庫