町火消
まちひけし
名詞
標準
文例 · 用例
「江戸の花」には、命をも惜しまない町火消、鳶者は寒中でも白足袋はだし、法被一枚の「男伊達」を尚んだ。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
その火事場から引揚げてきた町火消の一組が丁度ここを通りかかったが、春ではあるし、火事場帰りで威勢がいい。
— 岡本綺堂 『牛』 青空文庫
町火消し、弥次馬、役人達が、四方八方から駈けつけて来た。
— 国枝史郎 『八ヶ嶽の魔神』 青空文庫
大声を上げて飛び込んで来たのは、町火消しに組の頭常吉だった。
— 宙に浮く屍骸 『釘抜藤吉捕物覚書』 青空文庫
」 こう言いながらそそくさと出て来たのは町火消の頭常吉であった。
— 宇治の茶箱 『釘抜藤吉捕物覚書』 青空文庫
」 町火消の頭、に組の常吉を相手に、先刻から歩切れを白眼んでいた釘抜藤吉は、勘次のこの言葉に、こんなことを言いながら、つと盤から眼を離して何心なく表通の方を見遣った。
— 梅雨に咲く花 『釘抜藤吉捕物覚書』 青空文庫
丸の内の火事は、旧幕時代でも、町奉行、火消掛、お目附その他役附老中の出馬、諸大名の固め、町火消、諸家お抱火消と繰出して、持場持場についたものだが、当今、城は宮城であり、何しろ議事堂の失火だからと、父ははなしてくれた。
— 長谷川時雨 『議事堂炎上』 青空文庫
けれども、纏屋次郎左衛門から、六十四組の町火消しに供給した的と謂はゞ言はるべき、形の上の要素を多く具へた、馬簾つき、白塗り多面体の印をつけた、新しい物を考へに置いてかゝる事だけは、控へねばならぬ。
— 折口信夫 『まといの話』 青空文庫