手緩い
てぬるい
形容詞
標準
文例 · 用例
纏まった詩だの歌だのを面白そうに吟ずるような手緩い事はできないのです。
— 夏目漱石 『こころ』 青空文庫
同人雑誌を発行したのは、山野の知らしてきたような手緩いものではない。
— 菊池寛 『無名作家の日記』 青空文庫
『朝日新聞』に出た諸先生の御説を拝見しますと、女子音楽学校長の山田源一郎先生は「既に一個の家庭を持った以上はやはり夫唱婦和でなければ成立って行かぬであろう」と申されましたが、今の世の中に男も女も人形のような者でない以上、この夫唱婦和という子供の飯事みたいな手緩い生気のない家庭は作れまいかと存じます。
— 与謝野晶子 『離婚について』 青空文庫
それに、その監禁がけっして手緩いものではなかった。
— ELIZABETH AND ESSEX 『エリザベスとエセックス』 青空文庫
アドルフ・マイとマンハイムにたいするまだかなり手緩い攻撃が始められただけで、蜂の巣をつついたような騒ぎになった。
— JEAN-CHRISTOPHE 『ジャン・クリストフ』 青空文庫
――そしてまたおそらく、まだかなり手緩いものであったそれらの最初の攻撃は、クリストフにその上発言する隙を与えずに急いで引き入れてしまったということに、だれもそうと承認はしなかったが、無関係ではなかったのである。
— JEAN-CHRISTOPHE 『ジャン・クリストフ』 青空文庫
両親の顔に泥を塗って、それでも飽き足らずに、父親の首へ縄を掛けようとする不孝者には、これ位の事ではまだ手緩い」 女記者園花枝は、矢張り園田氏の令嬢だったのです。
— 野村胡堂 『女記者の役割』 青空文庫
「銭形の親分さん、飛んだお骨折で」「気の毒だが、二人まで殺されちゃ、手緩い事では埒があくまい、兎も角、一緒に来て貰い度いが――」「へェ」「先ず第一にお房の死骸だ」「御案内いたします」 お房の死骸は、此前お萩の死骸を置いた場所に移されて居りました。
— 腰抜け彌八 『銭形平次捕物控』 青空文庫