機略
きりゃく
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文例 · 用例
斯様いう性格で、手厳しくもあり、打開けたところもあり、そして其能は勇武もあり、機略もあった人だが、其上に氏郷は文雅を喜び、趣味の発達した人であった。
— 幸田露伴 『蒲生氏郷』 青空文庫
併し其の張る氣をのみ用ひて、凝る氣には落ちなかつたので、機略縱横、終に家康をして沓を取らしめて、徳川殿に沓を取らせたる事よと、謙遜の中に豪快の趣を寓したる語をすら放つを得たのである。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
そうしてこの程度まで鼻の表現を研究し得れば、最早所謂、機略縦横、神出鬼没の行き止まりとして世間から一種の敬意を払われるので、しかもこれを世渡りの秘訣、処生法の免許皆伝と心得ている人が又|頗る多いように見受けられるのであります。
— 夢野久作 『鼻の表現』 青空文庫
勝頼は決して暗愚の将では無かったのだが、その機略威名が父信玄に遠く及ばない上に、良将を率い用いる力と眼識が無く、かく老将を抑えて自分を出そうとする我執がある。
— 菊池寛 『長篠合戦』 青空文庫
家康公(徳川家康)は太閤秀吉(豊臣秀吉)に比べて、機略に於いては或いは一二段下っていたかも知れないが、しかし惜福の工夫に於いては数段も優っていた。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫
しかしその張る気だけを用いて凝る気に落ちなかったので、機略を思うままに用いて、終に家康に沓を取らせて(服従させて)、「徳川殿に沓を取らせたる事よ」と、謙遜の中に豪快の趣を込めた言葉すら放ち得たのである。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫
対手は機略縦横、評判の切れ者なのでした。
— 千代田城へ乗り込んだ退屈男 『旗本退屈男 第十一話』 青空文庫
」 山口は手を振って甲谷の攻め立てて来る機略をまた圧えた。
— 横光利一 『上海』 青空文庫