数秒間
すうびょうかん
名詞
標準
文例 · 用例
数秒間、私は自分のうちで寝ているような気がしていた。
— 太宰治 『朝』 青空文庫
そして数秒間の間、私は、混乱するような驚愕と共に、彼を見つめた。
— コナン・ドイル 『空家の冒険』 青空文庫
僕がするうっと彼の把握から抜け出ると、彼はもう死に物狂いの金切声を上げながら、ものの数秒間も無茶苦茶に僕を蹴り、それから両手で虚空をつかんだ。
— コナン・ドイル 『空家の冒険』 青空文庫
まったく、こうして佇んだ数秒間さえなければ、かの怪奇の点では奥アマゾンを凌ぐといわれる、水棲人のすむあの秘境へはゆかなかったろうに。
— 水棲人 『人外魔境』 青空文庫
彼はもはや凝然としていられなくなったように、焦かしげな足取りで室内を歩きはじめたが、突然立ち止って、数秒間突っ立ったままで考えはじめた。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
数秒間の間は、今死ぬるか今死ぬるかと待つてゐて、目を開かずにゐました。
— A DESCENT INTO THE MAELSTROM 『うづしほ』 青空文庫
彼は数秒間、ちょうど甘湯酒21の鉢の中の林檎みたいに浮いたり沈んだりしていたが、そのあげく、もともと泡立っているその酒の中でしきりにもがくのでたちまちまき起った泡の渦巻の中へ沈んで、とうとう見えなくなってしまった。
— 寓意を含める物語 『ペスト王』 青空文庫
相手の紳士はそうした私の顔を、その黒い、つめたい執念深い瞳付で十数秒間、凝視しておりましたが、やがてまた胴衣の内側から一つの白い封筒を探り出して、恭しく私の前に置きました。
— 夢野久作 『少女地獄』 青空文庫