古靴
ふるぐつ
名詞
標準
old shoes
文例 · 用例
泥濘のひどい道に古靴を引きずって役所から帰ると、濡れた服もシャツも脱ぎ捨てて汗をふき、四畳半の中敷に腰をかけて、森の葉末、庭の苔の底までもとしみ入る雨の音を聞くのが先ず嬉しい。
— 寺田寅彦 『やもり物語』 青空文庫
部屋の中には、約二十挺の鉄砲と、箱に這入った拳銃が古靴を積重ねた傍に置いてある。
— 黒島傳治 『武装せる市街』 青空文庫
背景となるべき一つの森や沼の選択に時には多くの日子と旅費を要するであろうし、一足の古靴の選定にはじじむさい乞食の群れを気長く物色することも必要になるであろう。
— 寺田寅彦 『映画芸術』 青空文庫
近頃古靴を売る事は……長靴は烟突のごとく、すぽんと突立ち、半靴は叱られた体に畏って、ごちゃごちゃと浮世の波に魚の漾う風情がある。
— 泉鏡花 『露肆』 青空文庫
古靴屋の手に靴は穿かぬが、外套を売る女の、釦きらきらと羅紗の筒袖。
— 泉鏡花 『露肆』 青空文庫
御丁寧に古靴なんか持ち出しやがって!
— 渡辺温 『四月馬鹿』 青空文庫
そして、村の沼にしずんでいる、古靴みたいに、海の底にしずんでしまいました。
— ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 『アンネ・リスベット』 青空文庫
小さな魚や、古靴や、油や、蛾を。
— 立原道造 『白紙』 青空文庫
作例 · 標準
下駄箱の奥から、高校時代に履き潰した泥だらけの古靴が出てきた。
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彼は古靴を修理して新品のように蘇らせる、凄腕の靴職人として町で評判だ。
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庭仕事の時には、汚れても構わないようにいつもその古靴を履いている。
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