火点
かてん
名詞
標準
文例 · 用例
S=茶店の表 火点し頃。
— 山中貞雄 『森の石松』 青空文庫
からら、からら、ら、ら、ら……烏いまはたはたと遠く飛び去り、窓にただ色あかき燈火点る。
— 北原白秋 『邪宗門』 青空文庫
わが脳のなかにか、室のうつつにか、火点るごときそのけはひ、遊戯夜に入る。
— 北原白秋 『第二邪宗門』 青空文庫
この女にはなんの責任もないのは、はじめからちゃんとわかっていたが、駅からずっと、たかが数万の人間に寝床を与えるために、あの山と田んぼを失ったことにくすぶりつづけていた慶一の心は、瞬時に発火点に達してしまった。
— 第3章 フルサークル、1991年 『45回転の夏』 青空文庫
世界の情勢はまさに発火点に達したらしい、その前夜といつた緊迫ぶりである、いつの時代でも戦争は絶えない。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
火点しごろ過ぎて上田に着き、上村に宿る。
— 森鴎外 『みちの記』 青空文庫
しかも、発火点が擦れ合いつつ再び密房のような桟敷へ這入っていくのである。
— 横光利一 『旅愁』 青空文庫
どこもかしこも火点けと火消しの立廻りだ。
— 横光利一 『旅愁』 青空文庫