横ちょ
よこちょ
名詞
標準
sideways
文例 · 用例
もう一人、袷の引解きらしい、汚れた縞の単衣ものに、綟綟れの三尺で、頬被りした、ずんぐり肥った赤ら顔の兄哥が一人、のっそり腕組をして交る…… 二人ばかり、十二三、四五ぐらいな、子守の娘が、横ちょ、と猪首に小児を背負って、唄も唄わず、肩、背を揺る。
— 泉鏡花 『陽炎座』 青空文庫
えゝ、まゝよと思いますと、すぐその思いの下から、まゝよ三度笠横ちょに冠り破れかぶれの三度笠という小唄が口誦まれて来ます乞食の気散じな身の上。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
)の作業服を着て戦闘帽を横ちょに被り、彼はもっぱら金槌の音に堪能しているらしい。
— 原民喜 『曲者』 青空文庫
しばらく読んでいたが、いつしか本を持つ手が横ちょにさがり、やがてその本がぱったりと床を打つと、マアセルは床覆の上で眠り出した。
— ノウトルダムの妖怪 『踊る地平線』 青空文庫
私は私で、黄色い疎らな街燈に照らしだされた馴染の裏街が、まるで水の中に漬っているような気がしたし、帆村のやつは帆村のやつで、黒いソフトを名猿シドニーのように横ちょに被り、洋杖がタンゴを踊りながら彼の長い二本の脛をひきずってゆくといった恰好だった。
— 海野十三 『西湖の屍人』 青空文庫
「正ちゃん、横ちょを通してはいや、まんなかをとおしてね。
— 小川未明 『左ぎっちょの正ちゃん』 青空文庫
いつのまにかはだしになり、脱いだ草履を裏あわせに、帯の横ちょへはさんで、今にもくずれそうにヒョロッとつっ立っているんですから、姿は無気味だが、見たところ、とても弱そう……。
— 日光の巻 『丹下左膳』 青空文庫
ここらの長屋のおかみさんといってもいいような、つっかぶりようで、引っつめの髪は横ちょに曲がり、真岡木綿のゆかたの襟に、世話ぶりに手拭をかけて、お尻のところにずっこけそうに、帯を結んだ姿。
— 日光の巻 『丹下左膳』 青空文庫