快適さ
かいてきさ
名詞
標準
comfort
文例 · 用例
そして翌年にマッキントッシュがでてからは、日本でもたくさんの(でもないか)ユーザーが毎日の作業の中で、この手のインターフェイスの快適さを確認してきた。
— 富田倫生 『青空のリスタート』 青空文庫
彼が山高帽子を被り袴の股立ちを執つて物凄い勢ひでペタルを踏みながら街道にさしかゝると、その砂塵を巻く鉄輪の騒音は、凡そ、一町の距離からでも聞きとれる程の花々しさで、人々はそれ自転車が現れた、とばかりにとるものもとり敢へず戸外へ走り出て、文明の利器の快適さに舌を巻いた。
— 牧野信一 『写真に添えて』 青空文庫
人の意欲を窒息させる雰囲気――他人の労働の上に寄生して不精懶惰な現状に執着する裕福な生活、物質的な快適さのうちに耽溺して、身を動かすことさえも億劫になる生活――そういうものは、オブローモフの時代にだけ、農奴解放以前のロシアにだけ、存在していたものではない。
— 豊島与志雄 『意欲の窒息』 青空文庫
どこの川でも池でも、随時に出掛けて行つて、厭ならすぐ帰る事も出来るし、朝から晩まで誰にも逢ふ事なく、魚を友として閑日月の快適さを味ふによい。
— 佐藤惣之助 『日本の釣技』 青空文庫
とすれば、個々の生活のなかに残された「理想」は、必ずしも装飾としてではなく、精神的欲求としての「生活の快適さ」であらう。
— 岸田國士 『“現代風俗”に就いて』 青空文庫
女学校は、その建物と云ひ、庭園と云ひ、まことに西洋的な生活の快適さを示すものであり、文化人の趣味と実力を誇るが如く瀟洒たる一廓を形づくつてゐる。
— 岸田國士 『従軍五十日』 青空文庫
一旅行者である私たちは、到るところで、いわゆる観光施設なるものにお目にかゝるのであるが、観光とは、山や湖水や温泉を観覧せしめることではなく、それを取巻く人間の営みを含めて、一瞬でも異った空の下での生活の快適さを味はせることに外ならぬのを想へば、わが国の観光事業は根本から出直す必要がある。
— 岸田國士 『北海道の性格』 青空文庫
油壺ホテルで昼飯をすませ、煙草をくゆらせながら臨海実験所の日蔭の道を下って行くと、これまでの疲労が一遍にけしとんで行くような快適さを覚えた。
— 西尾正 『墓場』 青空文庫