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払い渡し

はらいわたし
名詞
1
標準
文例 · 用例
このあばら家の体たらくでは、あと金の十四両をとどこおりなく払い渡してくれればいいがと、一種の不安を感じながら控えていると、奥からは容易に人の出てくる気配もなかった。
一つ目小僧 半七捕物帳 青空文庫
」 そう云って憤慨しながらも、彼はその半分値で払い渡していた。
豊島与志雄 或る素描 青空文庫
初日の評判を後にして、その日いっぱいの上り高のしめくくりをしたお角は、払い渡すべきものは即座に払い渡し、大入袋の割振りまできびきびとやっつけて、残った金を両替にすると、それを恭しく紙に包んで男衆を呼びました。
白骨の巻 大菩薩峠 青空文庫
二十九日のたしか午後七時五十一分ごろ、もう店を仕舞うちょっと前のことでございますナ、お客様がお見えになりまして、手前の店払渡しの小切手九十九円八十銭というのを払出していらっしゃいましたが、九円八十銭だけはニッケル貨で、それも新しいのを呉れと仰有いました。
海野十三 深夜の市長 青空文庫
何故かゝる悪事を為すかと云ふに、若し麦蒔を為したる地なれバ其種物及肥料代価、手間代の払渡をせざる可らざるが故に、極力農事を妨げて買収価格の低減を計らんとする猾策に外ならず。
田中正造 非常歎願書 青空文庫
こうして工事に取りかかっておりますと、何かと入目を取りに来る者がありまして、いちいちわたし一人で払渡しをしたり、受取をやりとりしたりすることは容易でありませんから、その仕事をひとつ、あなたに引受けていただきたいと思います。
胆吹の巻 大菩薩峠 青空文庫