帰宿
きしゅく
名詞
標準
文例 · 用例
二十五日 宮川の池に沿いて、宮川の窪を登り、岩壁を直進して、御幣岳の最南峰に登り、各峰を縦走して、二十一日の来路と合し、降路は下宮川谷に入りて、梓川に下り、上高地温泉に帰宿。
— 小島烏水 『谷より峰へ峰より谷へ』 青空文庫
それから帰宿の途中、地下鉄の昇降器の中で卒倒したが、その時はすぐに回復した。
— 寺田寅彦 『レーリー卿(Lord Rayleigh)』 青空文庫
帰宿って夕飯の時、ゆるゆる論ずる事にしよう。
— 国木田独歩 『恋を恋する人』 青空文庫
何事かと行きて見れば、重井も葉石もあらず、詮方なく帰宿せんとする折しも、重井|独り帰りて、妾の訪れしを喜び、さて入獄以来の厚情は得も忘られず、今回互いに無事出獄せるこそ幸いなれ、ここに決心して結婚の約を履まんという。
— 福田英子 『妾の半生涯』 青空文庫
帰宿したのが四時、すぐに湯屋へ、それから酒屋へ、そしてぶら/\と歩いて宮崎神宮へ参拝した、樹木が若くて社殿は大きくないけれど、簡素な日本趣味がありがたかつた。
— 種田山頭火 『行乞記』 青空文庫
高知城観覧、その下でお弁当をひらく、虱をとる、帰宿して一杯、そして一浴、鬚を剃った、ぽかぽか――ぼうぼう。
— 種田山頭火 『四国遍路日記』 青空文庫
十時ごろ帰宿、酒がこころよくまわらないので、そしていろいろさまざまのことが考えられるので、いつまでもねつかれなかった。
— 種田山頭火 『四国遍路日記』 青空文庫
昼飯をたべてから歩いて――電車賃もないので――市庁のホールへ、そこで茂夫さんの市葬が営まれた、護国居士、私はひたむきにぬかずく、歩いて五時帰宿、涙ぐましい一日だった。
— 種田山頭火 『四国遍路日記』 青空文庫