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引っ繰り返す

ひっくりかえす
動詞
1
標準
文例 · 用例
気がついて見ると引っ繰り返すようなその大騒ぎの真っ只中で、居住いも崩さずに独り端然と酒盃をあげている人物がある。
久生十蘭 魔都 青空文庫
畳の上へ賽銭箱をバタン、こっちへバタンと引っくりかえすが出た銅貨はほんのぽっちり。
宮本百合子 金色の秋の暮 青空文庫
これごらんなさりませ」 と、くやしそうに忍剣が石櫃を引っくりかえすと、なかからごろごろところがりだしたのは、御旗楯無の宝物に、似ても似つかぬただの石ころ。
吉川英治 神州天馬侠 青空文庫
敬太郎から云えば先の並べ方も今度の並べ方も大抵似たものであるが、婆さんにはそこに何か重大の差別があるものと見えて、その一枚を引っくり返すにも軽率に手は下さなかった。
夏目漱石 彼岸過迄 青空文庫
ドッサリお金を掴ませられているイカサマの生蕃小僧で、公判になったらキット供述を引っくり返すに違いない。
夢野久作 二重心臓 青空文庫
どんな場合でもフン詰まらず、如何なる逆境でも順境に引っくり返す事が出来て、世間はどこまでも拡がって行くように見える。
夢野久作 鼻の表現 青空文庫
「おいたはおよし」と母親が叱っても、茶碗を引っくり返すくらいなところもないと母のなつかしみはつくまい。
倉田百三 女性の諸問題 青空文庫
田舎のワラビや草餅が都会の貴人にはまた珍しかろうくらいの心持でわが貧しい手帳を引っくり返すのも、あるいは美食のみなさんには一興であるかもしれぬ。
佐々木喜善 東奥異聞 青空文庫