美色
びしょく
名詞
標準
文例 · 用例
遂に力寿が非常に美い女だということが定基|耽溺の基だというのに考えが触れて、美色ということに鉾が向いたろう。
— 幸田露伴 『連環記』 青空文庫
純ら樹上に住む蛇は熱地に多く、樹葉や花と別たぬまで美色で光る。
— 蛇に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
いわく、〈近代|阿蘭陀の献る遍体黒白虎斑の馬あり、馬職に命じてこれを牧養せしむ、馬職これに乗りこれに載す、ともに尋常の馬に及ばず、ただ美色と称うのみ、あるいは曰く騾の族なり云々〉と。
— 馬に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
これは『羅摩延』(ラーマーヤナ)の長賦に、私陀実は人の腹から生まれず、父王子なきを憂い神に祈りて地中より掘り出すところ、その美色持操人界絶えて見ざるところとある故宝女といい、古インド人はセイロンの生蕃を人類と見ず、鬼類として羅刹と名づけた。
— 猴に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
いうまでもなく、菊之丞一行中の、雪之丞の、天から授かったような美色、これまでの役者に見られなかった品の良さ、一挙手、一投足につきまとっている不思議な妖気――と、いったようなものが、この成功の八分を齎したのは、誰にも判っていた。
— 三上於菟吉 『雪之丞変化』 青空文庫
されど程好くやつて置くなら、益す其美色を發揮して、誠に見宜い者である。
— 新渡戸稻造 『教育の目的』 青空文庫
されど程好くやっておくなら、益すその美色を発揮して、誠に見宜い者である。
— 新渡戸稲造 『教育の目的』 青空文庫
どこの何という人か知らないが、その美色はとにかく、気品としては、尼宮様と言っても恥かしからぬ高貴の人のようにも思われるが、短冊を取り上げて、和歌を打吟じ打吟じているかと見ているうちに、その手に持つ筆が、いつしか筮竹と変じ、その膝に当てた短冊が算木となって机の上に置かれてある。
— 京の夢おう坂の夢の巻 『大菩薩峠』 青空文庫