抱かす
だかす
動詞
標準
文例 · 用例
「そんなことは聞く必要がない、赤ん坊を抱かすことはならん此方へ寄越せ、」 細君も這入つて来た。
— 田中貢太郎 『あかんぼの首』 青空文庫
「お寄越しなさい、それは私の赤ん坊ですよ、あなたに抱かすことはなりませんよ、」 京子は子供を抱いたなりで立ちあがつた。
— 田中貢太郎 『あかんぼの首』 青空文庫
錯覚とは知りながら、ある心理的状態においては、それが恐怖心を抱かすことがある。
— 直木三十五 『大衆文芸作法』 青空文庫
だが、廊下の外のじめじめした庭の闇がふと静三に恐怖を抱かすことがあった。
— 原民喜 『昔の店』 青空文庫
總じて内の美を韜むは外の美の身の譽れ、金玉の物語を金の鈎子に抱かすれば、誰が目にも立派な寶物。
— ROMEO AND JULIET 『ロミオとヂュリエット』 青空文庫
力量その他が、スーラーブに或る懼れを抱かすほど匹敵していた。
— 宮本百合子 『古き小画』 青空文庫
一方日本人の間に旧くから浸み込んでいる学問尊重の気風、少し意地悪くいえば事大思想の一つの現われであるが、この気風が原理の発見というような、高遠で且つぱっとする仕事に対して、著しい尊崇感を抱かすことになる。
— 中谷宇吉郎 『科学と国境』 青空文庫