焚き付ける
たきつける
動詞
標準
文例 · 用例
そのうちに御飯の火を焚き付ける段になると、お姉さんはマッチの箱の蓋がすこし開いているのを気が付かずにマッチを摺ったために、マッチ箱の中のマッチに火がついて一時に燃えて、姉さんは手にやけどをしてしまいました。
— 無署名(夢野久作) 『三つの眼鏡』 青空文庫
そこを狙って岡郷介は、実父の仇と偽わり怒り、最所治部の悪事を数えて須々木豊前へ焚き付ける。
— 国枝史郎 『郷介法師』 青空文庫
鬚男は小屋に留って消えかかった火を焚き付ける。
— 木暮理太郎 『奥秩父の山旅日記』 青空文庫
夜中に少し寒くなったとしても、起きて蒲団をまくって新たに焚き付けるか、辛抱するかよりほかには別に方法とてもなかったのである。
— 柳田国男 『雪国の春』 青空文庫
明くれば十一月三日、午前四時半に起きて火を焚き付ける。
— 沼井鐵太郎 『黒岩山を探る』 青空文庫
嘘だと思うなら一走り往って覗いて見さっせい、満さんとあの娘っ子とがふざけた真似して遊んでいるだ」とたき付ける言葉の仰山なるにお代嬢はムラムラと顔の色変りて額より二本の角の生んばかり「あんだと、満さんがあの娘っ子とふざけていると。
— 秋の巻 『食道楽』 青空文庫
「畜生ッ」 女は恐ろしく下司な呪いの言葉をたたき付けると、伸びて行く平次の手を免れて、飛鳥の如く飛び去りました。
— 怪盗系図 『銭形平次捕物控』 青空文庫